ポンプの全揚程の計算
全揚程 = 実揚程 + 配管の損失水頭 + 末端の必要圧力(水頭換算) + 吐出の速度水頭 に余裕を見込んで求めます。損失水頭は直接入力するか、流量と配管から計算します。
分類給水・ポンプ根拠ヘーゼン・ウィリアムス式更新2026-10-06
—
実揚程—
損失水頭—
必要圧力(水頭換算)—
速度水頭—
流速—
入力例
実揚程20m、流量200L/min、内径50mm・直管60m・継手等30%増し(C=130)、末端の必要圧力0.05MPaの場合、損失水頭は約5.67m(流速1.70m/s)、必要圧力は5.10m、速度水頭0.15mで、余裕10%を見込むと全揚程は約34.0mです。
計算式
全揚程 H = (Ha + Hf + Hp + Hv) × (1 + 余裕率)
Ha: 実揚程[m] Hf: 配管の損失水頭[m]
Hp: 末端の必要圧力の水頭換算[m] = 圧力[MPa] × 101.97
Hv: 吐出の速度水頭[m] = v² ÷ (2 × 9.8)
損失水頭(ヘーゼン・ウィリアムス式)
Hf = 10.666 × C^-1.852 × D^-4.87 × Q^1.852 × L'
Q: 流量[m³/s] D: 内径[m] L': 直管長 × (1 + 割増)[m]
使い方のポイント
- 高置水槽への揚水ポンプなら、実揚程は「受水槽の低水位」から「高置水槽の流入口(ボールタップ等)」までの高さです。末端の必要圧力は流入口の必要圧力を入れます。
- 加圧給水ポンプなら、実揚程はポンプから最上階の器具までの高さ、末端の必要圧力は最も条件の厳しい器具(大便器洗浄弁・ガス給湯器など)の必要圧力です。
- 管内流速は 2.0m/s 以下が目安です(ウォーターハンマーと騒音の防止)。
- 動力は ポンプ動力の計算 で求められます。
よくある質問
MPaを水頭(m)に換算するには?
水の密度を1,000kg/m³とすると 1MPa ≒ 101.97m です。0.1MPa ≒ 10.2m と覚えておくと便利です。
継手や弁の損失はどう見込みますか?
正確には継手・弁ごとの相当管長を足しますが、概算では直管長の20〜50%程度を加算することが多いです。このツールでは「継手・弁類の割増」で%指定できます。
流速係数Cはいくつにすればよいですか?
新しい塩ビ管・ステンレス管・ライニング鋼管では130〜140、経年を考える場合は100〜110とすることが多いです。給水装置の設計では C=110 がよく使われます。
余裕率はどのくらい見ますか?
計算誤差や経年変化を見込んで、全揚程に10%程度の余裕を見るのが一般的です。
根拠・出典
- ヘーゼン・ウィリアムス式(給水装置工事技術指針2025 で口径75mm以上の損失水頭計算に用いる式)
- 空気調和・衛生工学会 SHASE-S206-2019 給排水衛生設備規準・同解説
本ページは規程・指針の本文を転載せず、計算式と考え方を要約しています。設計・申請には必ず原文と所轄(水道事業体・下水道管理者・電気事業者など)の基準で確認してください。
関連する計算ツール
- 05ポンプの水動力・軸動力・電動機出力の計算吐出量と全揚程からポンプの水動力(0.163×γ×Q×H)・軸動力・必要な電動機出力を計算し、標準の電動機容量(kW)を選びます。→
- 06給水管の損失水頭(摩擦損失)の計算流量・管径・管長から給水管の損失水頭と動水勾配を計算。口径50mm以下はウエストン公式、75mm以上はヘーゼン・ウィリアムス公式(給水装置工…→
- 08受水槽・高置水槽の容量と揚水量の計算建物の用途と人数から1日の使用水量・時間平均・時間最大・瞬時最大の予想給水量を計算し、受水槽(1日使用水量の4/10〜6/10)と高置水槽の…→
最終更新: 2026-10-06